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2019年10月24日木曜日
2019年10月24日木曜日
~DISCブレーキの本当の話・その2~ ブレーキパッドの減り方について
こんにちは。 FORZAの東です。
~DISCブレーキの本当の話~
ということで記事をアップさせて頂きます。
ディスクロード、グラベルバイクなどなど
ブレーキがディスクブレーキタイプのバイクに乗られている方。
また、これからディスクロードの購入を検討されている方には
『必見の記事』です。
◆目次
その1 2019年10月18日 ディスクロードのブレーキパッド交換について
⇒交換の目安は残量1mm、場所によって減り方は違う。
その2 2019年10月24日 ブレーキパッドの減り方について
⇒ライダー(乗り方)によって減り方は違う。
※あたらしい記事がページの上に来ますので過去の記事はスクロールして御覧ください。
2019年10月24日 ブレーキパッドの減り方について
前回の記事を御覧いただいて、S-WORKS VENGE DISC を乗られているお客様から
御自身のバイクの測定結果をいただきましたので紹介させて頂きます。
⇒写真はRETULE FIT時(FIT前)のものです。FITに興味のある方はコチラをクリック
今年、2019年2月にバイクを納車させていただきました。
走行距離は、8ヶ月で約2700kmとのことです。
前後左右のパッドの厚みを測っていただきました。
それぞれの最小の値を一覧にしました。
パッド最小厚mm 減少量mm 残量%
前左 1.29 1.11 53.75
前右 1.53 0.87 63.75
後左 1.30 1.10 54.17
後右 1.15 1.25 47.92
交換推奨残量
最小厚 減少量 残量%
1.0mm 1.4mm 41.67%
※新品2.4mmに対して推奨1mmとして。
フロントの左右差が0.24mmあるのは少し大きい感じがします。
そして左のほうが減っていますね。
1件のデータからの仮定になりますが、
「オイルがキャリパーの右から入るので右のほうが早く減る」
という仮定を立てていました。
これについては、今回のデータはフロントが逆になっていますので、
サンプル数を増やして傾向を見ていく必要がありそうですね。
残量について単純化して先の記事で紹介させていただきました
ROUBAIXのお客様の例と比較しました。
最小残量 消耗量 走行距離
VENGE A様 1.15mm 1.25mm 2700km
ROUBAIX B様 0.8 mm 1.6 mm 1.28倍 5200km 1.92倍
上記のデータから走行距離あたりのパッドの消耗量は下記のようになります。
消耗量(μm/100km)
A様 46.3(1.5倍) 1.25mm÷2700km
B様 30.8 1.6mm÷5200km
VNEGE A様のほうが走行距離あたりでは
1.5倍消耗していることがわかります。
ROUBAIX B様に比べると下りが多かった?ということかもしれませんね。
減り方については、どのように減っているのか?
リニアに減る?二次曲線的に減る?などなど興味が湧いてきます。
消耗量が 30.8μm/100km の場合には、
400km走ると 123.2μm(0.123mm)減ることになります。
ノギスの測定範囲は0.01mmからですので0.1mm減った場合には
精度に問題なく測定できるということになります。
400kmごとに厚みを測定して、消耗量をグラフにしてみたくなりました。
⇒データを提供していただけるお客様がいらっしゃいましたら、
東(アズマ)までメールを頂けると幸いです。
forzatsukuba@gmail.com
※定期点検にお持ち頂いた際には、もちろん私が測定させて頂きます。
フレーム設計の自由度があがり、カーボンリムのホイールも使いやすくなりました。
⇒カーボンリムの軽量化も進んでいきます。(一例の記事はコチラ)
ディスクロードを選んで頂く場合には、その性質をしっかり理解いただき
安心して使っていただきたいと考えています。
ということで記事は今後も続きます。
2019年10月18日(金) ディスクロードのブレーキパッドの交換について
◆ブレーキパッドの交換はいつ行えばいいの?
長い記事になってしまいましたので先に結論を言います。
安全マージンを考えると、
『パッド残量1mmをリミット』と考えていただくのがオススメです。
「ブレーキシステムの温度が十分に下がったことを確認してから、
ブレーキパッドの厚みを確認してください。
0.5 mm以下であればブレーキパッドの交換が必要です。
販売店または代理店へご相談ください。」
というふうに記載があります。
厚みが2mm⇒0.5mmになったら交換してください。ということですね。
しかしながら、実はパッドの厚みは2.4mmあるのです。
DuraAceやUltegara、105で広く使われている
レジンパッド(L03A)フィン付き(2,104円税込)をみていきましょう。
バックプレート(ベースプレート)込みで、厚みは4mmあります。
バックプレートの厚みは、1.6mmです。念のため2箇所測定しています。
ということはパッドの厚みは、4mm-1.6mm=2.4mmということになります。

あれ? マニュアルと違うじゃん。
ということでシマノに確認したところ
「マニュアルは一例でパッドによって厚みは異なる。」
とのことでした。
B01S RESIN を測定してみました。
全体の厚みが4mm、バックプレートの厚みが1.8mmですので
パッド厚みは2mmになりました。
シマノの話では、パッドの初期厚によらず残量が0.5mmになったら交換。
と、マニュアルを理解してください。とのことでした。
つぎに、パッド残量0.5mmについて考えてみましょう。
2018年5月7日に納車させて頂いたROUBAIX COMP SAGAN COLLECTIONの例です。
納車後、1年5ヶ月が経過しています。走行距離は5200km程度とのことです。
これで、パッドの残量は0.36mmです。シマノ指定の0.5mmを下回っています。
中央部分はパッドでは無さそうなものが見え始めています。
ブレーキロータのダメージが気になりますね。
これで、パッドの残量は0.8mmです。
フロントと同様に中央部にパッドでは無いものが見えそうになっていますがこれならまだ。という感じですね。
外観から判断し安全マージンを考えると、
『パッド残量1mmをリミット』と考えていただくのがオススメですね。
パッドの残量については、写真のように「ノギス」を使って測定することができます。
⇒参考までに写真のものは、Amazonで4,364円(税込)で購入しました。
測定する時には測定する部分に注意が必要です。
パッドの厚みは測定する場所によって厚みが異なります。
つまりパッド全面が均等に減るわけではない。ということです。
実際の厚みを確認してみましょう。
フロントの左側です。
上部と下部では、下部のほうが減っています。
ローターの中心方向が減っている。ということですね。
同じくフロントの右側もみていきましょう。やはり下部のほうが減っています。
目視でも隙間から減り方の違いを確認することができます。
もうひとつポイントになるのが、左右のパッドでも減り方が異なるということです。
左 上部2.48mm 下部2.20mm その差は0.28mm
右 上部2.13mm 下部1.96mm その差は0.17mm
左より右のほうが減っています。
上下の減り方の傾きは左のほうが大きい値です。
ということが判りました。
右側について、進行方向に対して前後で違いがあるのか?をみてみました。
パッドの減り方は、均等に減ることはなく上下でも前後でも異なる。
ということが理解できます。
まとめますと、パッドの厚みを点検する場合には、
『パッド下部の一番減っている部分の厚みを測定する。』
ということが正解となります。
参考までに、リアのパッドの厚みも測定しました。
右側のほうが減っていますね。前後では、前のほうが減っていますね。
通常は前のブレーキを使うことが多くなりますのでフロントがリアに比べて減ります。
※リアが先に減る方もいらっしゃいます。
今回の例では、一番減っている部分のパッド厚みは
フロントが、0.36mm リアが、0.8mm でした。
繰り返しになりますが、パッドの厚みを点検する場合には、
『パッド下部の一番減っている部分の厚みを測定する。』
ということが正解となります。
安全マージンを考えて、
『パッド残量1mmをリミット』と考えていただくのがオススメです。
走り方によってパッドの減り方は異なりますが、『パッド残量1mmをリミット』と考えていただくのがオススメです。
2500~3000km走った時点で点検していただくのが安全ですね。
御自身で確認するのは大変。。。面倒。。。
という場合には定期点検という形でバイクをお持ち下さい。
しっかり点検させて頂きます。
⇒全体点検を御希望の場合には事前予約をお願い致します。
御予約いただけましたら、御来店いただいてから30分程度で作業が可能です。
長くなっていますが、続きます。
◆ブレーキパッドの交換はどのように行えばいいの?
ブレーキパッドの交換は基本的には、
『古いものを抜いて新しいものを差して』
という作業なので自分でできちゃうんですが、、、
注意していただきたいのは、新しいブレーキパッドを入れる前に
出てきたピストンを戻してあげる必要があるということです。
ブレーキパッドが減った分だけ、ピストンが出た状態になります。
新品のパッドを入れた場合にはピストンはキャリパー本体に対して
ほぼツライチの状態に収まります。
ピストンを戻す際に、
汚れたままのピストンを戻してしまうのはオススメではありません。
ピストンの動きが悪くなり性能が劣化する心配があります。
ですので当店では、かならず洗浄してからピストンを戻して
パッド交換を行っています。
洗浄の際には、パッドを外した状態から
レバーをにぎって、もう少しピストンを出してあげます。
そうすることで、キャリパー本体とピストンの境界についている
汚れを浮かして(ズラして)しっかり落とすことができます。
極端に絵にすると、こんな感じです。
実際の汚れはピストン表面に薄くついているだけですので
図のようにたっぷり載っていることはありません。
あくまで強調した図として見てください。
汚れは中性洗剤とブラシを使って洗浄します。
キレイになりました。
ピストン内部に水を残したくないのでダスターでしっかり水分を飛ばします。
パッドを押す面が凹型になっているので水が残っちゃうんですよね。
そしてピストンを戻して(リセットして)から新しいパッドを取り付けます。
最後まで御覧いただき本当にありがとうございます。
少しでも皆様の参考になりましたら幸いです。
記事について、不明なことや、ここはちゃうで。間違っている。
などのご意見がありましたらメールで東(アズマ)宛に御連絡頂けると幸いです。
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